小学生殺傷事件と「中高年のひきこもり」と「不登校」と「ネット・スマホ・ゲーム依存」
先日の川崎市でスクールバスを待っていた小学生らが次々と包丁で刺された事件の犯人が「引きこもり」であったということが、早くも週刊誌に書かれています。
「8050問題」(80代の親が50代の子どもの生活を支えるという問題)や、内閣府が公表した40〜64歳の「ひきこもり中高年者」の数が推計約61万という話との関連性が、たぶんこれから週刊誌やテレビのワイドショーのネタになるのでしょう。
さて、今回の犯人がどんな人なのか僕は知らないので、どういう心理かと聞かれても答えないことにしているのですが、僕が取り組んでいる「ネット・スマホ、ゲーム依存」とひきこもりは関係があるので、それについて少し述べることにします。
最近急増しているのが、不登校からネット・スマホ、ゲーム依存になるパターンです。
また、順序が逆で、ネット・スマホ、ゲーム依存になってしまって学校に行けなくなるというパターンも増えています。
まずここで問題となるのは、「不登校」と、その後のひきこもりとの関係性です。
これについては、文科省「不登校生徒に関する追跡調査研究会」が平成26年に出した研究結果において、その相関関係が表れています。
平成18 年度に中学校3年生に在籍していた者で、不登校として計上された者(年間30日以上欠席した者)が、5年後に就業していない率は43.8%で、そのうち何らかの学校に就学している者が46.7%。
ということは中学の時に不登校経験者の約2割は、20歳の段階で学校も行かず働いてもいないということになります。
そして働いている者も「パート・アルバイト」として勤めている者の比率が32.2%で最も多く、次いで「正社員」が9.3%となっていることを鑑みれば、喩え就業していてもシビアな状況の人が多いということは想像できます。
たかがネットやスマホやゲームと思っている人も多いのですが、中にはそれによって不登校になり、最悪の場合は中高年のひきこもりになって人生が狂うケースだってあり得るのです。
そこまでいかなくても、電車の中で、少し詰めればもう少し立っている人が座れるだろうという状況でも、気が付かずスマホに夢中になっている人が本当に増えましたが、そういうことだってその人の評価を下げるには十分です。
とは言え、それでもなかなかこの問題に関心を持ってくれない人が多いのも事実です。
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